「なぁなぁ俊介〜、一緒に飲まないか〜」
「和音さん。申し訳ないですが、俊介は今日仕事を持ち帰っておりまして……」
「珍しいな、俊介が帰ってまで仕事するなんて」
「ええ、俊介のミスなんですが、明朝までに仕上げなければならない資料がありまして」
「ふーん」
パジャマ姿の和音さんは、ベッドにあぐらをかいてウィスキーの壜を抱えてぼーっとしている。
「どーかしましたか?」
「や、俊介がメガネかけたところ初めて見たな、と思ってさ」
「そーですね、会社でしか使ってませんでしたから、ね」
「ふーん……」

カチカチとキーボードを打つ音だけが部屋に響いて、ついベッドに和音さんがいることを忘れ
てしまう。
急に耳の辺りがこそばゆくなって「うわ!」と声を上げると、背後に忍び寄っていた和音さん
がメガネを後ろからするりと抜き取ったところだった。
「何するんです!」
「仕事してる俊介はつまらん」
「こら! 今晩中に仕上げなければいけないんですよ! 返しなさい」
「やだ」
「返せ! と言っている」
「やだよー」

ベッドの上に逃げてあかんべーをしている和音さんをつかまえて頭をぽかりと一発。
「あにすんだ!」
「メガネを返しなさい。事と場合によっては俊介も本気で怒りますよ」
「だってー……」
唇を尖らせ頬を膨らませて涙目になっている和音さんを見て、ふぅとため息。
「仕事が終わったら相手してあげますから……」
無言でメガネを差し出すのを受け取って片手でメガネをかけると、もう片方の手で和音さんの
頭をぽむぽむと軽く叩いた。
「もうちょっとで終わりますから、それまで機嫌よくして待っていてください」
和音さんが無言のまま、パジャマの袖で涙をぐいと拭く。

やれやれ……。
その腕を取って親指で涙を拭いてやると、ぷいと顔をそむける。
「メガネをかけた俊介は嫌いだ」
「へー、それはまたどーして」
あ、これは長くかかりそうだな、と思いつつ相手してやると
「……なんか分からんけど、嫌いだ」
拗ねている和音さんが可愛くて、思わずくすくす笑いつつ額に額をこつんとぶつけてやる。
「……んだよ。仕事はいーのかよ」
「ま、朝までに仕上げればいーですしね」
そっと唇をついばむようにキスをして、
「もしかして和音さん、嫉妬しましたか?」
「……何に?」
「仕事に」
「ち、ちが……!」
かーっと音をたてそうに顔が赤くなるのを面白く見て、また唇を重ねた。

パジャマの裾から手を入れて捲り上げると、ふぁん、と気の抜けそうな声を上げる。
「和音さんがヤキモチ焼きだとは、俊介も今初めて知りましたよ」
「ちがう、って、ば……。ゃ、ん!」
胸を愛撫しながらパジャマを脱がせつつ、既にとろんとした眼差しになっている表情に見惚
れていると
「やっ、しゅんすけ。メガネ外して……」
視線に気付いた和音さんが頬を染めた。
「なんか……、メガネかけてると、恥ずかしい……」
あらあら……。

さほどの度数ではないから、メガネをかけなくても視界に大した変わりはないけれど、そー
言われると外したくなくなる。
「でも、メガネかけてると、和音さんの可愛い顔がよく見えて……」
「や、ん……、なんか俊介じゃないみたい、だ……」
「それは、俊介じゃないみたいで、イイってこと?」
言いながらつんと上を向いた胸元のつぼみを舌で掬い上げた。
「あっ! ちがっ……」
「だって、ここはこんなにイイって言ってるのに」
確かに、いつもより敏感に反応して赤くなる肌を、しつこく嬲る。
はぁはぁと息を弾ませて、涙のにじんだ眼をうっすらと開いた和音さんがひどく扇情的に見
えた。

パジャマのズボンと下着を一緒に脱がせてそこに手をやれば、いつもよりも濡れていて思
わず
「ほら、こんなに……、いつもよりイイんでしょう?」
和音さんが赤い顔でぶんぶんと首をふる。
構わずそっと触れれば、それだけで潤みがあふれて、すべるように指が和音さんの中にも
ぐりこんだ。
「……ぃや、ぁ」
「いや?」
ゆるゆると動かしていた指先を止めて、言葉尻を捕らえる。
「やめます、か?」
黙り込んで言葉を発しない和音さんを見ながら、また指を揺らす。
あからさまに声をあげる姿がもう可愛くて可愛くて……、いじめたくなった。
「でも、いやならやめましょう、俊介も仕事がありますし」
「やぁん……」
身を起こしかけると和音さんがおずおずと腕を伸ばして、ぎこちなくメガネを外した。
「……メガネないと、しごと、出来ないだろ……?」

あぁぁ。なんだこの可愛さは……。
「そーですね、こーゆーことする時、メガネは少し邪魔ですし、ね」
和音さんの手からメガネを取り上げてサイドテーブルにそっと置いた。
再び和音さんの中に指を滑り込ませると、ぴくりと身をよじった。
「どーします? やっぱりやめる?」
「や、だ……。しゅん、すけ。もっと……」
切れ切れに、喘ぐように言葉を紡ぎだす。
「そーですね……。ここは?」
体内に飲み込まれた指の上で、ぷっくりと膨らんで色付いているつぼみを舌先で掬い上げ
る。
一段と高い声が上がった。
「やぁっ! ん!」
「いや、ですか?」
和音さんが苦しそうにぎゅっと眉を寄せて首を振った。
「や、じゃない……。しゅんすけぇ。いじわるしないで……」
「ちゃんと言って。言わないと分からない……」
「……やぁあ」
「やめますか?」
「……しゅ、んすけ。もっと、いっぱい、して……」
真っ赤な顔で涙ぐんで、ついに和音さんが震える声で言った。

身体を離すとテーブルの引出しからゴムを出して、ベルトも下着もズボンも一緒くたに脱ぎ
捨てて限界の自身につけた。
くたりとベッドに身体を投げ出している和音さんに押し当てて、ぐいと突く。
潤みであふれているそこに飲み込まれると、和音さんがため息をついた。
さっきまで舌先で愛撫していたつぼみを、今度は濡れた指先で優しく震わせる。
「や、俊介。やめ、て」
「だって、いっぱいして、って、さっき言ったでしょう?」
「……ぁ! いやぁあああ!」
十分熱くなっていた身体はあっけなく頂点に上りつめて、がくがくと震えた。
絡まりつく襞がリズムを持って奥に誘う。
誘われるままに優しく突き始めると、和音さんが涙目を薄く開いていやいやをした。
「だめ、しゅんすけ、やめて……」
声にならない声で囁くように哀願するのを見下ろした。
「……しゅんすけ、こわい」
「俊介が怖いですか?」
「ううん……、あ、また……!」

一度のぼりつめた肌がしっとりと汗をかいて、髪の毛が顔に張り付いているのをそっとかき
分けてやった。
和音さんが腕を伸ばして首にしがみついてくる。
短い声と熱い息が耳元にせまる。
「俊介、しゅんすけぇ……」
悲鳴のように繰り返す和音さんの身体の奥がさっきよりもっと熱くなって、その熱さを確かめ
たくて何度も何度も奥を突いた。
やがて和音さんの中が短く何度も痙攣して、それに合わせるように自身も、果てた……。

腕枕にもたれかかっていた和音さんが、やがて静かにくぅくぅと寝息を立て始めた。
起こさないようにそっとベッドから滑り出して衣服を身に着ける。
サイドテーブルのメガネをかけた。
ブリッジに指をかけて位置を直すとパソコンに向き直って画面が浮かび上がるのを待つ。

……メガネ嫌いって言ってたけど、実は好きなんじゃないのか?
いつもよりも敏感だった反応を思い出して、引出しから鏡を取り出した。
ブリッジを指で持ち上げてみる。
これ、スーツ姿だったら格好つくかも、今度スーツ着てる時に和音さんの前でやってみよう……。



おわり


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