トントン、とノック。
「和音さん、僕の麦チョコ知りませんか?コンビニで買って
 一度家によって、玄関においといたのに帰ってきたら無くなってて…」
「あ、俊介さんのだったの?わり〜わり〜、食べちゃったよ」

がちゃ!と勢いよくドアが開いて、俊介が入ってきた。

「く〜!!なんでそう意地汚いんですか!食べものは全て自分のモノだとでも思ってるのか!?」

ジャージ姿の和音さんは、俊介の麦チョコを奪ってなおキットカットお徳用サイズを
ベッドに広げて漫画を読んでいた。なげかわしい姿…。

「このお姫様はどうしてこんな風になってしまったんだ。食い気ばかり育って
 色気は皆無じゃないですか。ああ、貴重な青春をささげて育てたというのに…。」
「だ〜ってワタクシ、色気の何たるかを教えていただいた覚えはございませんもの、俊介さ〜ん♪」

手を口元に持っていき、ころころ笑う。猫をかぶるときのいつものポーズだ。
何度たしなめても、いつも陽気なお嬢様。どうしたら懲らしめることが出来るのか…


「大体なんだよ、麦チョコくらいでぴーぴー騒いで。女子供じゃあるめーし!」

…食べものに執着しているのはご自分のほうでしょう。人のものを横取りしておいて
なんてふてぶてしい態度だ。ああ、どうにかしてテッテー的に懲らしめてやりたい…

ぐいっ!!

「うっわあぁぁわ!!!!な、なにすんだ俊介!」

突然腕をつかまれ、ベッドに倒される。何がおきているのか理解する前に、
両手を上に上げたポーズで押さえつけられてしまった。

耳元で低い声でゆっくりささやく。

「和音さん。今日という今日はお仕置きですよ…」

そして和音さんの瞳を捕らえてじっと見つめた。

…和音さんはごくっとつばを飲み込んだ。
ちょっとヘマをやらかして小突かれるのはいつものことだけど
ベッドでお喋りするのも違和感ないけれど…
でもこんなアヤシイ体勢になったこと、一度もない…
顔をこんな間近に覗き込まれて、何だかすっごく変な感じだ。

「わ、わはは、何だよ…?」

取り繕いながら茶化そうとする和音さん。
俊介は無言でコッチをみているだけ。実際はたった5秒ほどだろうか、
二人の見詰め合う時間はとてつもなく長く感じられる。

おいおい。これ、これってもしかして…レディコミで読んだみたいなシチュエーション???
わたしと俊介が!?そんなまさか…!!で、でもそういえばとーちゃんもかーちゃんも今夜は留守。
なんでそんなまじめな顔で見るんだよ。し、心臓どくどくしてきたかも…。
わーー、ど、どうしよう、こんな至近距離じゃ俊介に聞こえちゃうんじゃないか?!

と、そのとき。乱れたトレーナーのすそから、俊介が和音さんのわき腹にツーー…っと指を走らせた。

「ひあぁぁぁあっっ!!!!」

「やめ、こら、やめろよっ…!」

俊介の突然のタッチに、体が敏感に反応する。ヒジョーにゆゆしき事態だ。
目をぎゅっと瞑り真っ赤な顔で力いっぱい振りほどこうともがいても、
相手は男。力じゃ適わない。俊介は左手一本で和音の両手を押さえたまま
汗ひとつかかずにっこりわらった。

「やめません。これに懲りて、もう二度と食欲の権化と化すことのないように…。」

といいながら、和音の体を横に倒し、手を背中にまわして腰のあたりをツツツ…。

「んあぁっ…ば、ばか、この…ッ」

俊介は和音が実はくすぐったがりだということを知っていた。
いつだか彼女の着ていたTシャツの背中についていたゴミを指先でツイっと取ろうとした。
指が背中をちょこっと掻いたとき、普段のぼーっとしている様子からは
信じられないすばやさで敏感に反応して顔を真っ赤にして
「いきなりあにすんだ!」と怒り、こともあろうにゴミをとってあげた
俊介の頭に一発食らわせてきた。
…そんなにくすぐったいわけ?と首をかしげた俊介だったが…。

じゃーここは?触れるか触れないかの微妙な弱さで、首元に指を這わせると
和音は上ずった声を上げた。「ふあぁっ、しゅんっ…!!!!」

なるほど、本当にくすぐったがりなんだな。…クスリと余裕の笑みがこぼれる。
ほんの少しなぞっただけなのに、もう息絶え絶えじゃないか。
こんなに切羽詰った和音さんの姿を見るの、初めてかも。なんだか可愛いな…。
と、和音の顔を見ると。真っ赤に蒸気した頬、潤んだ瞳。それはそれは悩ましげに
こっちに視線をなげかけて……な、なんつーエロい顔をしてるんだ、このお嬢さんは?!
思わず手を止める俊介。

よくみると額にはタマの汗。そんなに体力消耗させるほどくすぐり倒してもいないのに。
これはもしかして…和音さんてば、少しエッチな気持ちになっているんじゃ…

「か、かずねさん…?」
「…。」

もう抵抗するのもとっくに止めている。黙ったまま、真っ赤な顔で恥らってる和音さん。
なんか扇情的で…むしろもっと触って貰いたいかのように思える…のは気のせいかなあ。
やっぱり妙な気持ちにさせちゃったのかも。
多感な年頃の娘さんには過激なことしちゃったのかもしんない。
いや、本当にそんなつもりじゃなかったんだけどな。
ふふ、何にコーフンしとるんだか。いやいや、笑い事じゃない、

…うーん、やばい。理性が飛んでしまいそう…

「今日のところはこれで許してあげます。でも、これからは
 人のものにまで手をだすなんて意地汚いことしないようにね」

そういってそっと手を離して、和音をベッドに残し、後ろを見ずに部屋をでた。



「〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
残された和音は、泣きそうな顔で枕に突っ伏す。
なんだよ、俊介のばかばかばか、ばかあああ!
イキナリあんなことして…び、びっくりするじゃないか…
体なんて触ってくるから、ワタシはてっきり、てっきり…!
それに、べつに俊介なら何したってよかったんだ。
もっと服の中触られたって…エロ漫画みたいな、あんなことやこんなこと。
し、下着の中だって俊介がしてくれるなら良かったんだ。
それなのに…も、もうよくわかんないよ!ちきしょおおぉお!


一方、俊介はその夜ご機嫌だった。
やっぱり「色気」の方も健気に育ってたんだなあ♪
このまま順調にご成長遊ばせたら、いつかはこんなシチュエーションで
我慢できなくなっちゃうほどに魅力的な女性になるに違いない。
でもそれまでは、もうすこし見守っててやらないとな。
ああ神様仏様、どうか和音さんに他に変な虫がついたりしませんように…

END

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